2008年11月9日日曜日

REICHSTAG


“疾走するベルリン”

たしかこんなキャッチフレーズを昔なにかの雑誌で目にした記憶がある。
それはあるクリエイティブ雑誌でのドイツ特集記だったと思う。

ベルリンの街を見て歩いていると
そんなフレーズがポンッと頭に思い出された。
なぜならば、この “疾走するベルリン” というフレーズが
現代のベルリンという都市を表現するのにうってつけの
まさに的を射ている表現だと思えたからだ。

ベルリンという都市全体は常にうごめき、
多面的な表情を見せるかのように刻一刻と増殖しているようだ。
その様子は建築ラッシュが今もなお続き、
休むことの知らない日本の大都市の感覚にも近いのだろうか。
しかし、ここは紛れもないドイツ特有の空気感、風土、
歴史などがそう形作っていったものである。

特におそらくそれらは『夜』のベルリンという都市を徘徊し、
ここ彼処でライトアップされた豪快なスケール感の建築物を見て歩くことで、
そういった印象は強く尚いっそう感じ取ることができるだろう。

建築に関心のない人であろうとも男子である限り童心に返ったような感覚。
ワクワクというかドキドキというか。
初めて見るものに対して、好奇心という油が注された感じ。

大都市の空にも関わらず、大きく澄んで広がって見える夜の闇と、
都市全体を覆うかのような巨大なスケール感の建築群。
それはまるで、初めてジャンボジェット機の飛行を間近で
目の当たりにした時のような興奮にほど近い感情に似ていた。

堅実に、そして頑なにベルリンという都市は確かに疾走していた。

確かに、確かに、と。
それが確かなものであるかを確認したいが為に
旅に出て好奇心を募らせ求めるのだろうか。


THE NEW GERMAN PARLIAMENT, REICHSTAG. 1999
ドイツ連邦議会新議事堂“ライヒスターク" 1999年
Norman Foster/ノーマン・フォスター









2008.8.23
BERLIN, GERMANY.

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